今回の記事は、コインチェックで取り扱いのあるアルトコインの紹介です。少し専門的な内容も含まれており、ビットコインでカジノを楽しみたい方よりも、仮想通貨の投資について勉強したい方に向けた記事になります。
アルトコインとは?
一言で言うと、ビットコイン以外の仮想通貨のことです。
アルトコインとは、Alternative Coin(代替となるコイン)の略で、ビットコイン以外の仮想通貨のことを総称して呼ばれます。
多くのアルトコインは、ビットコインを元にしつつ、ビットコインの弱点を克服するために作られたり、新たな機能を追加する目的で作られています。
Ethereum(イーサリアム、ETH)
ひとことで言うと、「ビットコインに次ぐ第二位の仮想通貨で、別名”ワールドコンピュータ”」
イーサリアムの特徴は?
イーサリアムはビットコインの次に時価総額が大きい仮想通貨です。
画像引用:http://coinmarketcap.com/all/views/all/
スマートコントラクトと呼ばれる、ユーザーが独自に定義した契約を扱うことができることが大きな特徴です。
スマートコントラクトとは?
コントラクトとは英語で「契約」という意味ですが、イーサリアムの場合、法律やビジネスに関する契約のことではありません。
その実態は「プログラミング」のことです。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で動くプログラミングのことで、それを動かすシステム、これがイーサリアムでワールドコンピュータと呼ばれる理由です。
プログラムがブロックチェーン上にあることで、特定の企業の支配下に置かれているわけでもなく、悪意を持った誰かによって改ざんをすることが不可能になるメリットがあり、金融業界で取引に有用であると考えられています。
イーサリアムの将来性
日本の有名企業では、トヨタや三菱UFJが企業連合として参加することが決まっています。
海外企業では、マイクロソフトや投資銀行のJPモルガンとの提携を発表しています。
タイトル訳:産業界の巨人、マイクロソフトからJPモルガンまでもがイーサリアムを支持
現在、イーサリアムを利用したさまざまなプロジェクトが立ち上がっていて、コインチェックで取り扱いのあるAugurもその一つです。詳しくは下のAugurの項目で紹介します。
Ether Classic(イーサリアムクラシック、ETC)
2016年7月、イーサリアムがハードフォーク(分裂)を行い、イーサリアムとイーサリアムクラシックに分かれました。 ですので一言で言うと「イーサリアムの片割れ」です。
イーサリアムクラシックの特徴は?
柔軟性に強みのあるイーサリアムと比較すると、クラシックの方は改ざん不能性に優れている点、Proof of Workの採掘方式を継続する点で差別化しています。
通貨の発行量に関しても、イーサリアムは将来的な発行量が未定なのに対し、クラシックの方は、2.3億トークンまでと発行量が決められています。
http://www.coindesk.com/230-million-ethereum-classic-community/
※230ミリオン=2億3000万
イーサリアムクラシックの将来性
一時期はイーサリアムと分かれて、クラシックは見向きもされないものと考える人もいました。ただ現在は、イーサリアムに深刻な問題が起きた場合、定量が決まっており、改ざんが難しいクラシックの方は、スマートコントラクト版ビットコインとも考えることができ,一定の役割を持ちそうです。
Lisk(リスク、LSK)
一言で言うと「JavaScriptで書けるスマートコントラクト」です。
JavaScriptはWeb業界ではメジャーなプログラミング言語なため、Webエンジニアにとって参入しやすいメリットがあります。
リスクの特徴は?
スマートコントラクトではイーサリアムが先行していますが、プログラミング言語以外にも、Liskの差別化ポイントがあります。
それはLiskがサイドチェーンという技術を使っているということです。 イーサリアムでは、1本のメインのブロックチェーンにプログラミングコードを書きますが、Liskの場合は、各アプリケーションごとに、ひとつずつブロックチェーンを用意して、その上でコードを走らせます。それによって、処理能力が向上し、スケーラビリティ(拡張性)が優れています。
画像引用:https://blog.lisk.io/what-is-lisk-and-what-it-isnt-e7b6b6188211
もうひとつ特筆すべき点として、Proof of Work, Proof of Stakeとも異なる、Delegated Proof of Stake(DPOS)と言われる採掘方式(取引の承認方式)を採用しています。
コインの採掘方式 | 使われている主な通貨 | 特徴 |
Proof of Work | ビットコイン | ハッシュパワーが大きいほど多く採掘できる。問題点として、コスト(消費電力)が高く、攻撃に弱く(51%アタック)、時間がかかる |
Proof of Stake | イーサリアム(将来的に) | コインを多く持っているほど、多く採掘できる。Proof or Workの問題点の多くを解決。 |
Delegated Proof of Stake (DPOS) | Lisk | コイン保有者の承認権を代理人に託すことができる、間接民主制のようなイメージで、処理能力が高く、さらに分散的 |
Factom(ファクトム、FCT)
一言で言うと、「ブロックチェーンを利用した”データを証明する技術”」
ファクトムの特徴は?
改ざんが不可能なブロックチェーンの技術を利用し、様々な記録や証明を、記録できるという特徴を持っており、将来的には、公証役場や監査法人なども自動化できるような機能が提供されるのではと考えられます。
ファクトムの将来性
マイクロソフトのAzureというプラットフォームに、Factomが採用されることがアナウンスされています。
タイトル訳:マイクロソフト、ファクトムとコインプリズムを自社のブロックチェーンに組み込む
2016年10月には420万ドル、2017年4月には800万ドルの資金調達に成功しています。
https://
www.cryptocoinsnews.com/bitcoin-blockchain-startup-factom-secures-8-million-series/
タイトル訳:ビットコインブロックチェーンのスタートアップ、ファクトムがシリーズAにて800万ドル以上を確保
また、日本のビットコイン・ブロックチェーンの第一人者である大石哲之氏も、自身のブログでファクトムに投資していることを明かしています。
http://doublehash.me/what-is-factom/
Augur(オーガー、REP)
一言で言うと、「未来を予測するギャンブルのプラットフォーム」。
当サイトではビットコインで遊べるオンラインカジノやブックメーカーを紹介していますが、Augurは、ユーザーが未来を予測して、それが的中すると仮想通貨で報酬がもらえるという仕組みです。
ちなみにAugurとは英語で、占い師や予言するといった意味です。
オーガーの特徴は?
ウィリアムヒルなどのブックメーカーは、明日のサッカーの試合の勝利チームから、英国のロイヤルベビーの名前は何か、といったことまで賭けにしています。
それらのブックメーカーと異なるところは、分散型のブロックチェーンの仕組みのため、管理者である胴元がいない点です。
そのため、賭けの対象はユーザーが自由に場を開くことができ、賭け金の分配は、イーサリアムのスマートコントラクト技術によって自動的に分配されます。
オーガーの将来性
Augurはクラウドファンディングで530万ドルの資金調達に成功し、ブロックチェーンセキュリティのエキスパート企業である、Airbitzと提携したこともアナウンスされてます。
タイトル訳:イーサリアムの未来予測市場オーガー、ブロックチェーンセキュリティの専門企業Airbitzと提携
これによってさらに堅牢になるセキュリティを活かし、将来的には、ギャンブルのみならず、保険の領域にもイノベーションを起こすと考えられています。(ギャンブルと保険は非常に似通った業界のため)
Monero(モネロ、XMR)
一言で言うと、「匿名性が超絶強化されたビットコイン」
モネロの特徴は?
リング署名という、複数人の公開鍵と秘密鍵を使って、取引の承認(署名)が行われるため、匿名性を高めています。
画像引用:https://cryptonote.org/inside
ビットコインもたしかに匿名で、誰が送ったかという個人を特定することはできないのですが、一人の鍵を使って署名をしているため、取引履歴を追えば、どのアドレスからどのアドレスいくら送られているかは公開されているためわかってしまいます。
(繰り返しになりますが、アドレスだけでは個人名はもちろん、どの取引所やウォレットを使っているかなどはわかりません)
モネロの将来性
モネロは世界の闇サイト「AlphaBay」で、決済通貨として採用されています。
このような利用用途は賛否ありますがすでに実績がある通貨と言えます。
匿名性があるということは、どのアドレスにどれだけのコインがあるかわからないため、ハッカーにも狙われづらいというメリットは大きいといえるでしょう。
Ripple(リップル、XRP)
リップルとは一言で言うと、「4秒で外国に送金できる、超速送金システム」で、リップルのシステムで使う仮想通貨をXRPと呼んでいます。
リップルの特徴は?
ビットコインは、既存の金融や通貨の仕組みに革命を起こそうとしているのに対し、リップルは既存の銀行の仕組みを活かしたまま、即時送金を大量かつ低コストで実現しようとしているシステム。
リップルシステムを動かす通貨のXRPは、各通貨を仲立ちするブリッジ通貨としての役割を果たします。
公式サイトによれば、毎秒1,000件の取引を処理することができ、その規模はビットコインやイーサリアムの数百倍で、クレジットカードのVISAと同レベルとのことです。
画像引用:https://ripple.com/xrp/
期待値が大きい一方で、リップルはブロックチェーンではなく、通貨のXRPはリップル社が独自発行しているため、他の仮想通貨とは大きく異なっており、懸念している関係者や投資家もいます。
リップルの将来性
2016年9月、Googleがリップルに5500万ドルの出資をしたとニュースになり、話題になりました。リップルは合計9300万ドルの資金調達をしていると下記の記事内で記されています。
http://www.cnbc.com/2016/09/15/google-backed-blockchain-start-up-ripple-raises-55-million-from-big-banks.html
タイトル訳:Googleも支援しているブロックチェーンスタートアップのリップル、5500万ドルを主要銀行から資金調達
2017年3月、東京三菱UFJ銀行も、リップルネットワークに参加するというニュースが報じられました。2018年までにバンクオブアメリカなど世界の6銀行を相手に、国際送金ができるように導入を進めているそうです。
http://www.asahi.com/articles/ASK30313YK30ULFA007.html(英語記事)Japan’s Biggest Bank Partners Ripple, Plans Global Blockchain Money Transfers in 2018
https://www.cryptocoinsnews.com/mufg-ripple-blockchain/
資金調達も順調で、重要となる銀行との調整も進んでいるようで、それがマーケットでも評価され、連日高騰が続いていますね。
Zcash(ジーキャッシュ、ZEC)
一言で言うと、「”完全な匿名”を実現した初めての仮想通貨」。
Zcashの特徴は?
「ゼロ知識証明」と呼ばれる技術を用いて、極めて高い匿名性を実現した点です。
ゼロ知識証明とは、検証する側に全く情報がなくとも(=ゼロ知識でも)、ある事柄を証明できる技術で、それを応用し、Zcashをいくら送ったかを一切明かすことなく、その数が正しいことを検証者は正しく確認できるのです。
Zcashの将来性
2017年5月、Zcashの公式ブログにて、外資系投資銀行のJPモルガンとの提携が発表されました。
https://z.cash/blog/zsl-quorum.html
注:QuorumとはJPモルガンが開発している独自のブロックチェーンプラットフォームです。
この発表後、Zcashの価格が2倍以上に高騰し、マーケットからも評価されていることがうかがえます。
NEM(ネム、XEM)
一言で言うと、「富の再分配を目指している、平等な仮想通貨」
ネムの特徴は?
ネムの特徴は、その採掘方式で、「Proof of Importance」という、ビットコインのProof or Workよりもさらに効率がよく、平等とされる独自のマイニング形式を採用しています。
「Proof of Importance」は、大掛かりなマイニングセンターがなくとも、ネムの残高や取引回数などを元に、ネムをよく使っているヘビーユーザーに対し、ネムが支払われる仕組みになっていて、これがより平等な仕組みとして評価れています。
ちなみにネムの場合、ビットコインとは違って採掘(マイニング)と言わず、「収穫(ハーベスト)」と言われています。
ネムの将来性
ネムの開発にはテックビューロという日本の企業も関わっており、その会社が開発しているMijinというブロックチェーンとのシームレスな連携が評価されています。
また、Mijinの技術は住信SBIネット銀行でも採用され、2016年4月、Mijinの公式ブログにて実証実験が成功したとの発表もありました。
http://mijin.io/ja/588.html
1時間あたり9万件のトランザクションの処理する際にも問題なく稼働、との内容もあります。
Litecoin(ライトコイン、LTC)
一言で言うと、「ビットコインを改良するために作られた、初のアルトコイン」。
ライトコインの特徴は?
ライトコインはビットコインの欠点(送金時間の遅さなど)を補うために作成されました。
具体的には、ブロック時間生成時間(=取引にかかる時間)が、ビットコインが10分に対して、ライトコインは2.5分と、4分の1に短縮されています。
また、コインの発行上限数もビットコインが2100万枚に対し、ライトコインは8400万枚と4倍なので価格が安定しやすく採掘も簡単というメリットがあります。
ライトコインの将来性
現在ビットコインの取引量が急増し、送金時間がかかっているため、短い時間で送れるライトコインは優位性があるいえるでしょう。
さらに、最近ビットコインの価格の乱高下がありましたが、通貨として普及するのであれば、価格の安定性が強いライトコインが注目される可能性はあると思います。
DASH(ダッシュ、DASH)
一言で言うと、「匿名&即時送金に優れた仮想通貨」
ダッシュの特徴は?
コインミキシングという技術を用いて、通貨が送受信される際、どこからどこに渡るのかという情報が渡るのかわからない、匿名性が高い取引の形式。
ビットコインが承認作業(=送金)に10分かかるところ、数秒から数十秒で完了する「InstantX」という機能。
ダッシュの将来性
2017年5月、ダッシュの時価総額は10億ドルを超えました。2017年の初めには7800万ドルからのスタートでしたので、12倍以上の成長を短期間で遂げたことになります、
https://www.dashforcenews.com/dash-passes-1-billion-market-cap/
※MARKET CAPとは時価総額を意味します。
さらに、DASH PAYと呼ばれる、決済システムを開発中で、コンビニなどの店舗での導入を目指しています。
画像引用:https://www.dashforcenews.com/dashpay-point-sale-update/